大学のゼミ仲間と四国へ。vol.2
四国カルストを降りて高知市へ。ひろめ市場の藁焼き塩たたきに全員が脳を焼かれ、旅が終わるまで「かつおのたたきマジうまかった」と言い続けた。最終日は仁淀ブルーのにこ淵、名越屋沈下橋、愛媛で海鮮丼、そして仲間との別れ。瀬戸大橋を渡って京都へ。
No. 050 · travel · Shikoku vol.2 / 2 · 2026.8.22–24
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「かつおのたたき、マジでうまかったなあ」
高知を出てから京都に着くまで、全員が何度これを言ったかわからない。
vol.1 では、京都から四国に上陸して、道後を歩き、四国カルストで拳を突き上げた。vol.2は、カルストを降りたところから。高知でカツオのたたきに脳を焼かれ、3日目に仁淀ブルーを見て、京都へ帰る。
Day 2
四国カルスト → 高知市
カルストを下山 → 仁淀川ぞいに高知市へ → ひろめ市場でカツオの塩たたき → 屋台餃子 → 温泉 → 就寝。塩たたきに全員がやられた夜。
カルストを降りて、高知市へ。
四国カルストを高知側に下りて、仁淀川に沿って高知市へ向かう。山から川へ、川から街へ、景色がだんだん開けていく。
仁淀川ぞいの道。中州がいくつも顔を出す、ゆったりした流れ。
高知の街に着く頃には、日が暮れかけていた。
街に着いたのは夕方。宿に荷物を置いて、そのまま夜の目的地へ向かう。
ひろめ市場で、カツオの塩たたきを食らう。
高知市の「ひろめ市場」は、飲食店と物販が所狭しと詰め込まれた、屋内の屋台村みたいな場所。目当ては当然、カツオのたたき。行列の絶えない藁焼きの店で、塩たたきとタレのたたきを両方頼んだ。
藁焼きの塩たたき。表面はこんがり、中はねっとり生。味付けは塩だけ。
結論。塩たたきが、うますぎた。藁で一気に炙った香ばしい皮目、ねっとりした生の身、そこに塩だけ。薬味のにんにくスライスと一緒に噛むと、脳の変なところが光る。あまりにうまくて、このあと旅が終わるまで、全員がずっと「かつおのたたきマジうまかったなあ」と言い続けていた。高知を出て、瀬戸大橋を渡って、京都に着くまで、ずっとだ。
タレのほうも、もちろんうまい。でも、塩。塩なんだ。
餃子も、ひろめ市場で。
カツオだけじゃない。ひろめ市場では餃子も外せない、というので、たたきと同じテーブルで一緒に頼んだ。小ぶりでパリッと焼かれたのを、ビールで流し込む。カツオで完成していた腹に、追い餃子。宿に戻って温泉に入り、ぐっすり寝た。
Day 3
高知 → 仁淀ブルー → 愛媛 → 京都
アメリカ堂でパンを買って宿でコーヒーと朝ごはん → にこ淵 → 名越屋沈下橋 → 川で水遊び → 愛媛に戻って海鮮丼 → 友達と別れる → 瀬戸大橋を渡って京都へ。名残惜しい最終日。
最終日は、アメリカ堂のパンで朝ごはん。
3日目の朝は、高知のパン屋「アメリカ堂」へ。1976年創業の老舗で、朝6時半から開いている。明太フランスが名物だが、クロワッサン、ドーナツ、惣菜パン、ショーケースの前で全員がしばらく無言になる。
ショーケースぎっしりのパン。朝から本気で目移りする。
買い込んだパンは宿に持ち帰って、コーヒーを淹れて優雅に朝ごはん。チェックアウト前のこの時間が、地味にいちばん贅沢だったかもしれない。
にこ淵の青に、言葉をなくす。
向かったのは、いの町の「にこ淵」。仁淀川の支流の上流にある滝つぼで、「仁淀ブルー」という言葉が生まれた場所だ。ネイチャーカメラマンの高橋宣之さんが撮った写真がきっかけで、全国的に知られるようになった。もともとは水神の大蛇が棲むとされ、地元の人は畏れて立ち入らなかったらしい。
にこ淵。滝が落ちる先の水が、信じられない色をしている。
急な階段を下りていくと、いきなり視界にあの色が飛び込んでくる。光の角度でエメラルドからコバルトへ、濃淡が刻々と変わる。写真だと盛ってるみたいに見えるかもしれないが、盛っていない。むしろ、カメラが色を拾いきれていない。
長秒で撮った一枚。滝の白と、淵の青。
しばらく、誰も喋らずに水面を見ていた。
名越屋沈下橋を渡って、川に降りる。
にこ淵のあとは、仁淀川の本流にかかる名越屋沈下橋へ。欄干がなく、増水時には水の下に沈むことを前提に作られた、四国の川ならではの橋だ。渡ると、川面のすぐ上を歩いているみたいで、ちょっと怖い。
名越屋沈下橋。欄干がないぶん、川面がすぐそこにある。
川に降りると、底の石が一つずつ見えるほど水が澄んでいた。
橋のたもとから川原に降りて、少し水遊び。足首まで浸けただけで冷たい。川底の石ころが、ぜんぶくっきり見える。
愛媛に戻って海鮮丼、そして別れ。
高知から愛媛へ戻り、海鮮丼で昼ごはん。マグロにサーモン、イカ、いくら、彩りよくぎっしりのって、これはこれで完全に優勝。四国、食べ物が最後まで一度もハズさなかった。
愛媛で食べた海鮮丼。旅の最後の一杯まで、しっかりうまい。
食べ終えたら、初日に荷物を置かせてもらった友達の実家へ。ここで、この旅を計画するきっかけになった友達とお別れ。「またな」と言って車に乗り込む段になって、メンバーの一人がしっかり泣いていた。それがまた妙におかしくて、でも笑いながら、こっちももらい泣きしそうになった。そういう別れができる仲間がいるのは、たぶんかなり幸せなことだ。
瀬戸大橋を渡って、京都へ。
帰りは瀬戸大橋を渡って本州へ。
瀬戸大橋と、瀬戸内海をゆく船。渡りきると四国が終わる、という感じの橋。
車内では、予告どおり「かつおのたたきマジうまかったなあ」が定期的に流れていた。次に四国へ来るときは、また四国カルストで拳を突き上げて、ひろめ市場で塩たたきを食べる。それはもう、決まっている。
— Len
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